給与の締め日と支払日は変更できる?

例えば、他社への支払いや集金に都合のよいように、給与の締め日と支払日を変更することはできるのでしょうか?
変更することは可能ですが、法的な問題やその手続きにおいて注意する必要があります。
労務問題一発解決バイブル無料購読

無料!経営者必見!
「労務問題、一発解決!」奇跡のバイブル
いますぐ会社を守る準備をしよう!

このコンテンツの目次
  • 法的な問題
  • 変更の際の手続きと留意点
  • 事例詳細

法的な問題

  • 労基法第24条の毎月払いの原則を遵守し、変更月に1回も給与が支払われないということが起こらないようにする
  • 労働基準法コンメンタールによると、事前に法所定の手続きにより就業規則を変更するに限り、支払期日を変更しても問題ない

人事労務管理の情報提供サイト
アンカー・ネット
人事労務に役立つ情報や書式を無料でGETできます! アンカー・ネットの詳細 →

変更の際の手続きと留意点

  • なるべく早く通知する、賞与支払月に変更する、無利子で貸付を行うといった、社員の生活設計への配慮が必要
  • 社会保険の手続きが煩雑になるため、4~6月は避ける

社長を守る会の会員様を全力でサポートします!
社長を守る会
人事労務のお悩みは、今すぐ電話相談で即解決!
当サイトのすべての動画・マニュアルもオンラインで見放題!

事例詳細

社長

経理部長、ちょっと相談があるんだが、給与の締め日と支払日を変更したいと思っていてな。

経理部長

私も社長にそろそろその件でご相談に伺おうと思っていたところなんです。

社長

だったらちょうどよかった。20日締めの25日払いのところを、末締めの15日支払いに変更したいんだ。

経理部長

分かりました。他社への支払いや集金の関係上、その方が都合がよいですからね。また、最近は従業員が増えたことで、給与計算がタイトになっていたので、締め日から給与支払日までに余裕があると経理部としても助かります。

社長

あーーーそう。そりゃーそうだよな。余裕はあった方がいいよな。それなら、さっそく進めてくれ。

経理部長は総務部と相談をした上で、給与の締め日と支払日を変更することを回覧で従業員に通知しました。

A社員

なー、あの回覧見た? 突然給与支払日を変更するとか書いてあったんだけど、困るんだけど。

B社員

そうだよな。こっちだって住宅とか車のローンだったり、クレジットの支払いを給与支払日に合わせてるんだから、突然給与支払日変更するとか言われても・・・。

A社員

しかも、変更された直後の給与って、給与計算期間の日数が少ないから、給与はかなり少ないんじゃない? うちの家計厳しくてさ、奥さんがよく赤字だ、赤字だって騒いでるから、その辺のこと、会社はなにかケアしてくれるのかな。

B社員

どうなんだろう。というか、一方的に給与の締め日とか支払日とか変更していいのか。労基に聞いてくるわ。

さて、会社の経理の都合上、賃金の締め日や支払日を変更する必要性が生じることもあるかと思います。その際に、法的な問題はないか、またどのような手続きを踏み、どのような点に留意すればよいか見ていきます。

法的に問題はないのか?

まず、法的に問題がないかどうかですが、賃金の支払いについては、労基法第24条で五原則が定められています。

  1. 通貨払い
  2. 直接払い
  3. 全額払い
  4. 毎月払い
  5. 一定期日払い

賃金の締め日や支払日の変更がこの規定に抵触するとすれば、3.4.5.が考えられます。

3.の全額払いについては、賃金の全部または一部を控除して支払った場合に違反となりますので、今回の場合のように、賃金支払期間が短くなったことにより、一時的に賃金が下がることは、全額払いの違反にはなりません。

4.の毎月払いについては、ここでいう「毎月」とは暦によるものと考えられ、1日から末日までの間に少なくとも1回は賃金を支払わないといけないということになります。よって、変更月に1回も給与が支払われないということが起こらないようにする必要があります。

5.の一定期日払いについては、期日が特定され、その期日が周期的に到来するものでなければなりませんが、賃金支払日は、労働基準法コンメンタールにおいて、毎月払いや労働協約に反しない限り、労働協約または就業規則によって自由に定め、変更し得るものであり、使用者が事前に法所定の手続きにより就業規則を変更するに限り、支払期日を変更しても問題ないとされています。

したがって、毎月払いの原則を遵守し、事前に就業規則を変更することによって、賃金締め日や支払日を変更することは可能です。

変更することによる留意点は?

また、従業員側も毎月の生活設計がありますので、留意点としては、以下のようなものが考えられます。

  1. なるべく早く通知して予告期間を長く設けることで備えができるようにすること
  2. 変更月を賞与支払月に合わせて従業員の負担を軽減すること
  3. 無利子での貸付を行うなどの措置を講ずること

また、社会保険の手続き上、4月~6月に給与支払いの仕組みを変更すると事務手続きが煩雑になるため、この期間の変更はできるだけ避けた方がよいでしょう。

雇用保険上については、離職証明書を作成するときに注意が必要です。

なお、給与に関することは、従業員の最も関心のある労働条件の一つですので、締め日や支払日を変更する場合は、会社の事情をしっかりと説明する必要があるでしょう。

賃金の締め切りや支払時期に関しては、就業規則に定め、社員に周知する必要があります。<br> 就業規則への具体的な記載方法や変更の手続きについては、以下のセミナーで詳細を解説しています。
セミナー参加者特典として、無料個別相談で疑問点をすべて解消することもできます。


「会社を守る就業規則」徹底解説セミナー

「会社を守る就業規則」徹底解説セミナー

竹内社労士事務所の代表である竹内が、最新の法改正や労働事情を踏まえ、2024年度版に改訂した最強の就業規則をベースに、法的根拠やトラブル事例、判例などを豊富に交え、会社を守るポイントをわかりやすく解説します。

「会社を守る就業規則」徹底解説セミナー開催予定

2024/12/20(金)受付開始 9:00 セミナー開始 9:30~16:30 空有
2025/01/24(金)受付開始 9:00 セミナー開始 9:30~16:30 空有
2025/02/21(金)受付開始 9:00 セミナー開始 9:30~16:30 空有


就業規則セミナー
就業規則マニュアル(正社員用)
就業規則マニュアル(非正規社員用)

オンライン動画「会社を守る就業規則」徹底解説セミナーのご視聴方法

社長を守る会の方は、「アンカー・ネット」会員マイページにログイン
するだけで、すべてのコンテンツを、購入することなくご利用になれます。


社長を守る会以外で会員マイページをお持ちの方は、
下のボタンからログインして、オンライン動画のご購入とご視聴が可能です。

会員ログインして購入

当サイトで初めてご購入される方会員マイページをお持ちでない方は、
最初に、下のボタンから無料会員登録を行ってください。

会員登録後、上のボタンまたは会員マイページ内からご購入いただけます。

新規会員登録して購入


労務問題一発解決バイブル無料購読

無料!経営者必見!
「労務問題、一発解決!」奇跡のバイブル
いますぐ会社を守る準備をしよう!

改正労働基準法レポート
労務問題解決のカテゴリー
面接・採用 配転・異動 退職・解雇
服務規律 ハラスメント 労働時間
年次有給休暇 賃金・退職金 健康問題
懲戒処分 損害賠償 労働条件変更
労働組合 福利厚生 その他