ユニオンとの団体交渉中、マスコミからの取材要請に応じるべき?

ユニオンとの団体交渉中に、マスコミから取材要請がありましたがどう対応すべきでしょうか。
直接電話でやり取りするのではなく、書面で対応するのが一番でしょう。
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このコンテンツの目次
  • ユニオンの団体交渉中に取材が
  • 取材に応じる必要はあるか?

ユニオンの団体交渉中に取材が

 まず、ユニオンの関係者の中には特定の新聞社やマスコミと付き合いがあり、その力を利用して会社に圧力をかけ交渉を有利に運ぼうとする輩が存在します。特に、昨今マスコミが飛びつきやすいのは保育園や養護施設等、公的機関がその運営等に関係する企業群のようです。マスコミに騒がれると公的機関が嫌がるのを知っていて、事業主に対して事件を鎮静化するように働きかけることを見透かしているのです。

 こんな時、取材要請を受けた企業は深刻に考え、インターネットなどで調べ、メディアとの緊急時の対応においては次のようなポイントがあり、そのポイントを外さないように対応する必要がある、などの情報を見つけ対応しようとします。

 その中に書かれているいくつかの留意ポイントを挙げると、
①報道機関等の背後には、多くの国民の目や耳があることを認識し、感情的に反発したり取材を拒否したりすることなく、会社が主体的に、誠意をもって迅速に取材対応すること。②会社の労務管理・対応等に不十分な点があった場合には率直に認め、そこを出発点として、今後の業務運営や労務管理等の改善に生かし、信頼回復に努める旨説明すること。③労働者個人のプライバシーや人権に配慮するとともに、会社の営業秘密等にも留意しながら、正確な情報を積極的に公開すること。④電話、来社による取材・問い合わせ等の対応窓口を一本化して誠実に対応すること。⑤そして以上のような対応を緊急時にそつなくこなすためには、メディアトレーニングを事前にしておく必要があること。

 メディアトレーニングとは、メディアに対応するスキルを習得するものです。マスコミからの取材要請はめったに起きないので誰もが経験不足であり、会社の対応者が緊張のあまり失態をしでかすことはよくあることです。記者は、相手の動揺や説明の矛盾を見逃さないので、いきなり対面すると、取り返しのつかない失言等をしてしまう可能性があるので事前にトレーニングして“場慣れ”しておく必要がある、というものだそうです。いちいちもっともな話だとは思います。

取材に応じる必要はあるか?

記者に対しては、書面で対応するのが一番

 もちろん取材に応じなくても、何らかの法違反になることなどありません。ちなみに「取材の自由」などを盾に取材に応じろと要請してくる記者もいるようですが、「取材の自由とは、報道機関の取材行為に介入する国家機関からの自由をいうにとどまり、それ以上に、取材を受ける側に法的義務を生ずるような取材の権利をも当然に含むものではない」と判示した例もあり、的外れな主張です。

 記者に対しては、「申し訳ございませんが、当社では、マスコミ取材に対してご協力することができません。よって、貴殿から直接の面談の申し込み、架電等があっても対応できません。ご理解の程よろしくお願いいたします。」書面で対応するだけにするのが一番です。

初めの対応を誤ると、不要なトラブルに発展する可能性があります。
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