労働組合の「送り込み」戦略とは?
- 労働組合活動家が送り込まれてくるような事態に、会社はどう対処しておくべきなのでしょうか?
- 賃金の低さ、サービス残業、年次有給休暇を取らせない、労基法を守らないといったことがないようにしておきましょう。
- 労働組合の「送り込み」戦略
- 事例詳細
労働組合の「送り込み」戦略
- 労働組合が目標の企業・事業所を設定し、組織化のために労働組合活動家を就職させ、非公然で一定期間組織化活動をすすめ、組合結成をめざすもの
事例詳細
健全な労働組合ばかりではありません!
すべての労働組合が、経営者を敵と見て非常に戦闘的な戦略を持ち、会社と対立的な関係になるとはいいませんが、使用者(経営者)を一方的に悪者と決め付け、その前提の下に組合活動を継続し、強大化し、組織化することによって、資本家を打倒していくことを主な目的として日々組合活動をしている組織も、残念ながらあります。
そのような労働組合は、経営者の幸福の追求など全く眼中になく、労働者の幸福の追求さえも副次的なものとして捉えているような節もあります。
つまり、労使双方で協調し、生産性を上げ、全体のパイを拡大することにより、経営者と労働者の双方の幸福を追求することを目的にした、健全な労働組合活動とは程遠い、経営者に対して敵対的で偏狭で利己的な労働組合も、残念ながら現実に存在するということです。
そのような労働組合が、一つの戦略として「送り込み」戦略なるものを自己の労働組合で出版している本に記載していたので、一部をご紹介します。
「送り込み」戦略とは?
「送り込み」戦略とは、「労働組合が目標の企業・事業所を設定し、組織化のために労働組合活動家を就職させ、非公然で一定期間組織化活動をすすめ、組合結成をめざすもの」だそうで、その送り込まれる「労働組合活動家」とは、労働債権の確保を中心とする個人争議で、本人の納得できる高額の解決金などを過去に勝ち取った組合員が都合がよいそうです。
なぜなら「敗北したら労働組合と個々の労働者の間の信頼関係は確立できない。」からだそうで、このような「労働組合活動家」を再就職させる場合の会社を選択する基準に関して次のように述べています。
「再就職の際の基準は、賃金が高いとか、労基法を守っているとか、職場が明るいとか、福祉施設が整っているとか、通常の基準ではなく、それと全く正反対の、賃金は低い、サービス残業が横行し、年次有給休暇が取れない、労基法は守らない、長時間労働で暗い職場、労働者がすぐ辞めるというような、いわば我々(労働組合)にとって、『魅力的な』会社をできるだけ選ぶようにする。」とのことです。
これでは送り込まれる労働者のことなど全く念頭になく、どうなっても構わない、組織拡大だけが目的だと宣言しているのと同義だと思われます。
さらに、「資本独裁社会にあって、企業主の奴隷の地位に甘んじながら、人間らしい生活の確保など幻想である。」とし、「労働組合があって会社がある。会社はいくら変わっても、組合にずっと加入し続けることによって、自らの生活と権利を守る。」などと組合最優先といわんばかりの偏狭なイデオロギーを語っているのです。
確認書にはご注意を!
このような労働組合に貴社の社員が駆け込んだり、組合員が送り込まれたらたまったものではありません。
いきなり会社に何のアポを取ることもなく突然入り込んできて、社長との面会を強要するのです。そして、社長が面会をしようものなら大変です。
例えば、36協定に記載した時間とタイムカードの打刻時間を照らし合わせて文句を言うとか、就業規則の周知の仕方がなっていないとか、日常の労務管理の不備があれば一つ一つ糾弾され、社長に罪悪感を持たせ自分たちに有利な条件を「確認書」という形で、労働組合との間でその日に締結させられるのです。
この「確認書」とは、労働組合はそのときに話した内容を確認するだけの書面だと当初はやさしく猫なで声で言いますが、後になると、「労働協約」を会社と組合は締結したと主張して、会社はその内容を守れと強圧的に言ってくるのです。
こんな労働組合が実際に存在し、現在も活動しているので、世の社長さんはくれぐれもご注意ください。
ユニオンや団体交渉では、初期対応を誤ると、不要にトラブルを大きくしてしまう危険性があります。
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