問題社員の定年後継続雇用は拒否できる?

繰り返し問題を起こす社員を定年後継続雇用をしなければならないのでしょうか。
問題社員の勤務態度や行動が、会社の就業規則の解雇事由に抵触していると評価できるのであれば、再雇用しなかったとことについて合理性があるものと考えられます。
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このコンテンツの目次
  • 事例詳細
  • 高齢者雇用確保措置について
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事例詳細

 「社長、お客様相談センターのAがまたやりました!」、ある日駒込サービスの営業部長が血相を変えて社長室に飛び込んできました。

社長

部長、今度はいったいどうしたんだい。

営業部長

お客様からの問い合わせ対応で暴言を吐き、お客様を怒らせました。お客様から、弊社サービス範囲外のパソコン操作について尋ねられた際、Aは、そんな簡単なことがわからないのか、この電話はパソコン教室ではないので教えられないと言い、勝手に電話を切ったんです。それでお客様から苦情の電話が来てしまい…

社長

またそんなことをやっているのか。

営業

ええ、先日もお客様に対して、わいせつな発言をしたから警察に通報する、あなたは犯罪者ですなどと言って怒らせたばかりです。わいせつな発言をするなどの問題がある電話についてはすぐに上司に転送するようルールも作りましたが、全く守りません。注意しようとしても、反発してなかなか言うことを聞きません。

社長

そうか、Aはもう少しで定年の60歳を迎えるはずだったな…これでは再雇用は難しいな。

営業部長

しかし、Aは先日労働組合に加入したようで、注意が不当だから労働組合に相談すると言っていました。それに法律で希望者は再雇用しなければいけないと聞いていますが。

社長

今まで、Aがわが社にどれだけ迷惑をかけてきたか、そして今後良くなると思いますか?

営業部長

いえ、たしかにそれは期待できないです。毎年の人事評価もほぼ最低評価ですから。

社長

そうですよね、今までのクレームとか問題行動の回数はわかりますか?

営業部長

そうですね…ここ5年だけでも7,8回はあると思います。

社長

総務部長に就業規則を持ってくるように伝えてください。

 それから数か月後、60歳の定年年齢に到達したAが駒込サービスに再雇用を申し入れたものの、駒込サービスはこれを拒否したためAは定年退職となりました。

 その数か月後、駒込サービスに地方裁判所から訴状が届きました。内容は定年再雇用の拒否が違法にあたり無効であるとして従業員の地位確認等を求めるものでした。Aの請求が認められれば駒込サービスは、Aを雇用しなければいけないですし、Aが働いていない期間の賃金を支払わなければいけなくなります。駒込サービスはどうなるのでしょうか。

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高齢者雇用確保措置について

 定年制度に関しては高年齢者雇用安定法という法律があります。この法律は「少子高齢化が急速に進行し人口が減少する中で、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある誰もが年齢にかかわりなくその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境整備を図る目的として整備されており、第9条1項で高年齢者雇用確保措置として、原則として①定年年齢を65歳以上に引き上げる、②定年年齢を60歳とするが希望者を65歳以上の年齢まで再雇用する制度を設ける、③定年退職の制度を廃止する、のいずれかである必要があります。駒込サービスは社長と部長の会話からは②の制度を設けているようですので、Aが再雇用を希望したときは、少なくとも65歳まで再雇用しなければならないということになります。

 しかし、高年齢者雇用安定法第9条3項では高年齢者雇用確保措置についての運用についての指針を厚生労働大臣が定めるものとされ、この指針(高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針)では、「心身の故障のため業務に堪えられないと認められること、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないこと等就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く。以下同じ。)に該当する場合には、継続雇用しないことができる。」とされています。

実務でのポイント

 したがって、Aの問題行動が駒込サービスの就業規則の解雇事由に抵触していると評価できるのであれば、再雇用しなかったとことについて合理性があるものと考えられます。


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