就業規則への懲戒規定の規定方法
- 懲戒処分を科す可能性がある場合、どう規定しておけばよいですか?
- 就業規則に懲戒処分についての規定がなされていないと、懲戒処分を行うことはできません。したがって、就業規則の作成義務のない10人未満の会社の場合も、懲戒処分を行う可能性があれば、就業規則を作成して懲戒に関する規定を定めておく必要があります。
懲戒規定が必要
会社は企業秩序に違反した労働者に対して、出勤停止や懲戒解雇などの懲戒処分を科すことができます。
しかし、法律違反をしていなかったら罰せられることがないのと同様に、就業規則に懲戒処分についての規定がなされていないと、懲戒処分を行うことはできません。
したがって、就業規則の作成義務のない10人未満の会社の場合も、懲戒処分を行う可能性があれば、就業規則を作成して懲戒に関する規定を定めておく必要があります。
裁判で新たな解雇理由を持ち出すことは有効ではない
懲戒解雇の理由となる事実は、会社が懲戒解雇を通告した時点で知っていた事実に限られます。
ところが、多くの裁判例では、会社は、懲戒解雇のときに言わなかったことを、社員が争う姿勢を見せた途端に「あれもあった、実はこれも解雇の理由だ」と付け加えてきます。
中には、相当古い昔の事実で、当時何ら注意されなかった事柄まで持ち出されます。
しかし、そのことが「重大なことだ」と主張する一方で、その後に功績を認められて昇進・昇格していたり、表彰されていたりするのでは説得力はなく、会社側の訴えの根拠が疑われることになるといえます。
このような「苦し紛れのあら探しの末に探し出してきた解雇理由」では、裁判でも認められる可能性は少ないのです。
懲戒解雇に関して、後から追加される解雇理由は、主張すること自体許されるものではない。
山口観光事件 最高裁 H8.9.26
出向者への懲戒処分
出向先の企業は、出向者の企業外での非行を懲戒できるのでしょうか。
労働者の企業外での非行によって、使用者の名誉、信用が害される場合には、懲戒を行うことができるとされています。
労働者が就業時間外に職場外でしたビラ配布行為であっても、ビラの内容が企業の経営政策や業務等に関し事実に反する記載をし又は事実を誇張、わい曲して記載したものであり、その配布によって企業の円滑な運営に支障を来すおそれがあるなどの場合には、使用者は、企業秩序の維持確保のために、右ビラの配布行為を理由として労働者に懲戒を科することが許されるものと解するのが相当である。
中国電力事件 最高裁 H4.3.3
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