減給と懲戒事由
- 減給などの懲戒処分を科す際の注意点はありますか?
- 当該減額が、懲戒処分として行うのか否かによって対応が異なります。なお、減給などの懲戒処分を科すためには、懲戒事由が必要です。
懲戒処分としての減給
減給を懲戒処分として行うとすれば、労働基準法第91条により、減給額が制限されます。
すなわち、1回の懲戒(減給)事案について、平均賃金の半額以下でなければならず、一賃金計算期間において、複数の懲戒(減給)事案があった場合でも、その減給の合計額が、1ヶ月の賃金の10分の1以下であることが必要です。
新聞やテレビで、減給処分○ヶ月というような報道がされることがありますが、それは労働者ではなく、取締役であったり、あるいは公務員の場合であって、労働者に適用することはできません。
一方、懲戒処分ではなく、人事考課に基づく場合であれば、前記のような制約はありませんが、この場合には、労働条件の変更になりますので、本人同意が必要です。
不利益な変更ですが、本人が承諾すれば問題ありません。
その場合、合意内容を書面化しておくことをおすすめします。
懲戒事由の4区分
減給など、会社が懲戒処分をする場合には、就業規則に懲戒権の根拠規定(懲戒事由)が必要です。
懲戒事由は、大きく次の4つに分類されます。
下記の事実があれば、前提として、懲戒処分の対象となり得ます。
労務の提供に関すること
- 無断で職場を離脱すること
- 上司の業務上の指示命令に従わないこと
- 勤務態度が不良であること など
施設の管理に関すること
- 無許可で会社施設を利用すること
- 会社の施設・機械を破壊すること
- 所定の場所以外で喫煙、火気を使用する など
秩序維持に関すること
- 許可なく遅刻、早退、欠勤等をすること
- 会社の秘密を他に漏らすこと
- 業務上の地位を利用して個人的な利益を追求すること
- 会社の秩序、風紀を乱すこと
- 採用条件に関係のある事項(学歴・職歴・資格等)を詐称すること など
会社外・就業時間外に関すること
- 会社の許可を得ることなく他に雇われたり、自ら事業を営むこと
- 会社を誹謗・中傷すること
- 会社の信用と名誉を傷つけること など
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